造血幹細胞移植後。GVHDを予防するために免疫抑制を行う。

この免疫抑制は一生行うものだと思っていた。けど、それは臓器移植の話で。造血幹細胞移植は例外だった。
教科書を見ると免疫抑制剤はGVHD症状が出なければ移植後6か月から1年後を目標に減量・中止していくとのこと。

なんと。とうか何故??一気に混乱した。少しずつ先生に聞いた。徐々に知識を深めたけど疑問はまだ残っていた。
でも、今日H先生の講義の時にチャンスが来た!
質問しなきゃって思った。今聞かなきゃ次はないって。手を挙げた。
そしたら、とっても面白い話だった。

普通の臓器移植なら、免疫系は宿主のものであり、臓器はドナーのままであ。だから、免疫抑制剤は一生飲み続けなければならない。
けど、造血幹細胞移植は、移植後免疫系はすべてドナーのものに入れ替わることになる。WBCの染色体はドナーのものになるのだ。
じゃぁなぜ拒絶が起こらないのか?GVHDが起こらなくなるのか?

それは免疫寛容が起こるから、ということで正解らしい。そこまではたどり着いたけどどうも納得出来てなかった。
まとめると。
増殖した幹細胞から作られる未熟リンパ球は胸腺へと運ばれここで自己に反応するものはネガティブセレクションを受けるのだという。「ここまでは授業でも習った!」
そうやって胸腺で自己に反応する細胞傷害性T細胞は除去されるようになるそうだ。そして、その後は胸腺からリンパ球が補充されるから、ドナー由来のリンパ球でも自己に反応しなくなるそうだ。

なるほど。

そしてさらに疑問。胸腺は成長するほど委縮するのに機能は残るのか??

小児のうちは胸腺機能がまだ残っているらしい。だから、ネガティブセレクションも行われやすいのだという。
だから、小児の方が成人よりも造血幹細胞移植の予後、成績は良いんだって。

あ。だから造血幹細胞移植の適応は40歳未満なのか。40歳まではなんとか、できる可能性があるんだ。
納得できた。

これだ。
久しぶりに、感動!を覚えた。バラバラの知識が1つにつながった瞬間がわかった。
これを求めていた。この感動の回数を増やさなくちゃいけない。
そのためにはまずバラバラでも知識を増やさねば。底辺を広く作らなきゃ上には伸びてくれない。

今日はそんな嬉しいこともあった。

免疫ってやっぱり面白い。不思議すぎる。もっと勉強したい。


でも、でも、骨髄移植ってとっても危険な治療らしい。1割は移植関連死でなくなるという。
うちの担当患者さんだって、大変な思いをしていた。

けど、それでもやらなきゃ死んでしまうのだ。

「ほっといたら死ぬしかない」とう背景から、「とんでもない治療をやってみる」ことを強要することが出来てしまう世界なのだ。

いつか移植を行わなくてもいいような治療法が見つかることを望んでいる。
先生はそう言っていた。

造血幹細胞移植って画期的な治療法で、とっても良いものなのだと思っていた。
けど、実際はそうではないんだ。現場の先生は造血幹細胞移植なんてやりたくないのだ。

やっぱり、治療法がみつかればいいのに。
副作用の方が勝ってしまうのは。やっぱり間違ったことなのだ。

ACSでもやった話だ。副作用は死因になりうるのだから。


今日はなんだかとっても勉強になりました。
今からまた勉強しよう。